一人ぼっちが怖いから
「ヘッドフォンをして人混みの中に隠れると
もう自分は消えてしまったんじゃないかと思うの」
------宇多田ヒカル「for you」
子供の時から風呂に潜るのが好きで、ボコボコしながら、たまに鼻にお湯が入ってむせたりしながら、ゆらゆらと揺れる水面とぼやけて見えるライトを眺めたりしています。
ギャンブル仲間とつるんでたときはパチンコ屋は最高の場所でした。夢中で目の前の画面を見つめて一喜一憂するダメ人間たちの中の一部に僕もなって死んだ目をしてました。
どちらも、音がね、消えるのがいいんです。
渋谷のスクランブル交差点の中心で、東京ドームのの客席で、居酒屋のカウンターの端っこで、直接の関わりないけど、やっぱり音を共有してるから同じ空間にいる。
そこで耳をふさいで音を消すと、自分は世界に取り残されたような気がして、寂しさとほんの少しの特別感に包まれて気持ちが落ち着きます。
雪が降ったあと、あまりの無音に世界が消えてしまったような気がしたり、
夏にカエルの鳴き声が静まった瞬間、時間が止まったように感じたり、
音があることで自分が世界と繋がっているような気になれる時があるんです。
逆に世界から離れたいときは口をつぐんで耳をふさいで、音を切り離すとそこに自分の体ひとつの世界が広がる。
なんてことを考えながら風呂に潜ったら盛大に水を飲んで軽く消えかけました。
ちゃんちゃん。